忘れっぽい

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底冷えの京都、川沿いをもくもくと②

京都旅行2日目

 

今回泊まったホテルは「ベッセルホテルカンパーナ京都五条」。JR東海のパッケージツアーにあるホテルの中で、大浴場があるのと朝ごはんの場所に近いのが決め手でした。歩き疲れる観光終わりに湯舟に浸かれるのがありがたい~。私がビジホ選びで重視している点は、チェックイン/アウト前後に荷物を預かってくれる・大浴場がある・休憩に戻ってこれる立地…です。でも条件差し置いても一番はやっぱりドーミーイン。共立リゾート系列のホテル大好きです。

朝ごはんは、レバノン料理を提供する「汽 [ki:]」を8時に予約していました。初めてのレバニーズ!黒いピタパンに、ひよこ豆のファラフェル、スモークチキン、色とりどりのメゼ、フムスを思い思いに詰めて頂きます。胃が目覚めてなくて動物性のものがあまり食べられないとき、これは朝食の最適解の1つかも。調理風景が見えたのですが、ストウブ鍋で炊いたお米に大量のシナモンをかけててびっくり!お土産に購入した燻製ミルクのカヌレも美味しかったです。散歩してホテルまで帰って1時間ほど睡眠。旅行中の2度寝は幸せ指数高い。

11時にチェックアウトしてバスで南禅寺永観堂へ。南禅寺の境内は訪問したことがあるので、周りを意識的に歩いてみると、あちこちに水路が。琵琶湖まで11キロしかないことに驚いた。地政学が好きな人から見れば、水路閣インクラインの他にも注目すべき所が沢山あるのだろう。私は詳しくないのでブラタモリを見返さなければ…。

そのまま北上して永観堂へ。横を振り返った見返り観音がいるくらいしか知らなかったが、螺旋階段の臥龍廊や欄干に描かれた鼠など見どころが多く素敵な場所だった。高台に登れるので紅葉の季節にはとても綺麗だと思う。

永観堂を出て、哲学の道沿いを北に20分ほど歩いた。長い道のりではあるが、水辺の周りには鴨や野良猫がいて、南天も綺麗で良い散策だった。南禅寺あたりを歩くとやはり、琵琶湖をめぐる水路の旅になる。続いて向かった先は、銀閣寺近くのカフェ「GOSPEL」。住宅街に突如現れる洋館は、ウィリアム・メレル・ヴォーリズによる建築。彼が手掛けた「山の上ホテル」が閉館してしまったことが悲しいので、京都でその心を埋めてみた。スイーツがおいしいのはもちろん、アイランドキッチンの静謐さが、色調をあげたハマスホイの絵画のようで可愛かった。わたしもこういう家に住みたい。

さすがに歩き疲れてきてタクシーを拾い出町柳へ。京都大学思文閣を通り過ぎ、鴨川を跨いで到着したのは、和菓子の名店「出町ふたば」。購入まで1~2時間ほどかかるという噂に違わずこの日も超行列でした。しかし、2日前までに電話で予約すると全く並ばずに買えるとネットでみたので、実践しました。本当に一瞬で買えた。なぜ皆電話をしないんだ…。購入したのは名代豆餅のほか、よもぎ餅の田舎大福、丹波の黒豆大福、芋餡を大豆の豆餅にくるんだ福豆大福、道明寺の桜餅、お赤飯。鴨川の飛び石を渡り、鴨川デルタで早速名代豆餅をいただいた。あまさ控えめのあんとふっくら炊かれた豆、餅は張りがある柔肌!これが京都の誇る名菓なのかー!と大感動でした。豆大福好き・東京在住としては比べるべきは護国寺の「群林堂」のものだと思うのだが、群林堂のありえん柔らかさに比べて、パツンとした張りがある。

すべて賞味期限が当日だが、一個一個真空で冷凍して常温で解凍したら美味しく食べられた。ちょっと餅がキチョッと堅くなるけど、それもそれで美味しい。宝物として大事に食べました。京都にきたらマストリストに入りました。

食後、下鴨神社の下のほうにある河合神社(鏡型の絵馬に化粧を施すので有名)に寄った。お目当ては鴨長明方丈記を記したという方丈庵だったが、移転作業のため見学できず…。これまで方丈記に思い入れは無かったのだけど、最近「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 よどみにうかぶうたかたはかつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」という有名な一節を改めて読んで、「え、これってプロ野球ファンのマインドじゃん…!」とめちゃくちゃ感動してしまって鴨長明リスペクトになりました。チームは変わらずとも選手は常に出入りするという。話の飛躍が過ぎるけれども…。。。せっかく出町柳まで足を延ばしたのだから、と、出町柳駅を始/終点とする叡山電鉄のホームも見てきた。これで鞍馬や比叡山に行けるのかあとロマンを感じました。

旅ももう終盤、くたくたになって京都駅へ下った。伊勢丹でお土産を買って、夕食で駅のイノダコーヒに駆け込んだ。なんだかんだ京都ならではの喫茶店に行ってなかったので。食べたのはナポリタン、ハンバーグサンド、レモネード。骨身に染み渡りました…。帰りの新幹線は奮発してグリーン車に。身体を休めるのに全振りした設備に思わず寝そうになったけど(おそらく寝るのが正解)、せっかくのグリーン車経験がもったいないから頑張って起きてました。

 

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おまけ

記入漏れしていたお土産の記録。たくさんのお土産をカバンにぱんぱんに詰め込んで、百貨店の催事のお菓子担当さんになった気持ちで楽しかったです。

阿闍梨餅(満月堂)

大好きな王道お土産。たんまり買ったので、そのまま、トースターで、レンジで…と様々な食べ方で食べた。

・生麩饅頭(三昇堂小倉)

珍しかったので湯葉生姜味を買ってみた。湯葉の触感が残る生麩生地が美味しい。

・生チョコ八つ橋(GODIVA

職場へのお土産用に。中はガナッシュで、ニッキの味は全くしないのだが、チョコ菓子としてとてもおいしい。バレンタインとしても良いチョイス。

・カルネ(シヅヤ)

普通のハムサンドじゃないの?と思い、今までスルーしていた自分が馬鹿だった。普通のハムサンドっちゃそうなんだけど、これ以上施しようがない美味しさ。コロナ禍には、カイザーロールやボンレスハム、マーガリンを詰め合わせた、手作りカルネセットが販売されていたらしい。再販してほしい。絶対買いますので。

・撫々すぐき(茎屋)

京都の3大漬物すぐき。植物性の乳酸菌で発酵させた塩味マイルドなお漬物で大好き。長野の「すんき」よりはしょっぱくて食べやすい。これを朝、永谷園の海苔茶漬けに乗っけて食べたら、おいしすぎて涙でました。

 

 

底冷えの京都、あんかけをもくもくと①

2月中旬、冬の京都は寒いと散々脅されながら行った1泊2日の記録with母

 

1日目

11時半ごろ京都駅に到着。春節と被り混んでいるかと思いきやそうでもなかった。とりあえず腹ごしらえ…と八条口から出て徒歩5分ほどの殿田食堂へ。関西に来たら絶対にうどんを食べなきゃという使命感がある。肉うどんとたぬきうどん(厚揚げが乗ったうどんに餡をかけたもの)を頼んだ。冬の京都グルメで下調べしたら、あんかけグルメばかり出てくる。あんかけラバーではないのだが、そこまで激推しするのであれば食べてみようじゃないかと王道のメニューに挑戦してみた次第だ。あんかけは生姜たっぷりで、これから動かす身体をあたためてくれた。大好きな炊いた牛肉の肉うどんも関西出汁の繊細さがありながら、いい意味での食堂っぽい大味さが良かった。ここはお店の人も温かいので、京都駅周辺のごはん屋に迷われる方、おすすめです!

その後、京都駅のすぐ近くに完成した京都市立芸術大学に用事があったので訪問。真新しいキャンパスに美術作品がたくさんあって、学生さんたちがきらきらして見えた。

バスに乗って母の希望で六波羅蜜寺へ。空也上人がいるタイミングで行けてよかった。好きな大河ベスト5に『平清盛』『鎌倉殿の13人』があるので、その時代にゆかりある場所に行けたのが嬉しい。ここは俺たちの泰時とトキューサが建てた六波羅探題…!と感動。空也上人の彫像も目に焼き付けてきました。ここは空也上人が彫った秘仏の観音像が本尊ですが、なんと辰年(コトシ!)に数日のみ公開するらしい。見に行きたいなあ。こじんまりしてたけど見どころが多く、好きなお寺になりました。

続いて歩いて建仁寺へ。禅宗の〇△□庭や双龍図が見られたのはもちろんだが、細川護熙(元総理)の襖絵がたくさんあって、綺麗でまとまってて理想主義的(面白味はない)と感じ、人柄って作品に反映するんだろうなと思った。一番好きだった景色は花頭窓越しに眺める庭園「大雄苑」です。

そのまま夕食に向かうため、30分ほど歩いて先斗町錦市場を通り、五・四条から三条へ北上して京都市役所前へ。やっぱり歩くと楽しいし土地がわかるが、N条間は結構距離があってつかれた。

夕食は、独自の食文化が形成されているという京都の町中華「鳳泉」に行くと決めていた。ここの焼売にはクワイが入っていると聞いて、訪問の何日か前から「クワイ入り焼売…」と呪文のように何回も唱えていた。開店時間の17時についてもすでに並んでいて30分以上待って入店。それはいいのだが、店の扉に「本日の焼売売り切れ」の張り紙が…。まさかのランチで売り切れパターンがあるんかい。大きなショックを受けた。

でも、京都の町中華には本当に感動しました。知っていますか。花街で発展した京都中華は強烈な匂いを避けるため香辛料やにんにくを使わず、鶏ガラ・昆布だし・からし・あんかけ(ここにも!)を重用した、異色な中華らしいです。この系譜の開祖である「鳳舞」は、くるり「三日月」のMVから見ることが出来ます。

www.youtube.com

独自の進化を遂げた「京都中華」に入門 40年前に亡くなった「開祖」の味を受け継ぐ名物とは | AERA dot. (アエラドット)

私が頼んだのは、エビカシワソバ、はるまき、唐揚げ、酢豚、卵スープ。途中で耐え切れずに紹興酒。全部衝撃的で未知なる美味しさでした。からしそばはピリッとからしがききながら昆布だしが優しく、シャクシャクのレタスなど具の取り合わせが、「もうこれ以上はないよね!」っていう完成度。はるまきは皮が少し分厚く卵感もありしんなりめ?タケノコがメインだけど、何が入ってるかわからないくらいレイヤーが多い味付け。唐揚げは何と、鳥ももの素揚げ??(に近い薄い衣?)。焼売がなかったから頼んだんだけど、焼売があったとしたらこの美味しさを知らなかったと思うと震える。食べる前、歯を立てた瞬間から美味しすぎて、母と小さく悲鳴をあげていたら、隣のお客さんも追加注文していました。また、私は酢豚について「パイナップルは有りか無しか?」という質問は、「あんこは漉しか粒か」くらい愚門だと思っています。そんなん美味しければそれが正解じゃん。なんとここの酢豚にはパイナップルだけなくライチも入っている!!それが甘味強めな甘酢あんに豚肉と一緒に入っているのだから大興奮でした。

ああ、はやく再訪したいなあ。今回食べたメニューは次来た時もひとつも外せない。旅行後に母が高熱を出しちゃったんだけど、「うなされながら何度も京都の中華を思い出したんだよね…」と言っていた。それくらいインパクトのある食事経験でした。

この興奮のままホテルに帰れないよね、と喫茶店を探した。第一希望はスマート珈琲店だったがイートインの時間が終了していて豆だけ買った。後日家でドリップしたら、いわゆる日本の喫茶店の珈琲の味がして嬉しかった。トーストと合うような味のね。

結局入店したのは小川珈琲の堺町錦店。開店から2年弱の新店舗でバーのようなつくり!コーヒーの種類がとっても多くてシガレットバーに来たみたい。どうせなら味が想像できないものを‥と思いインドネシアのミディアムを頼んだらバナナやタバコを感じて、嗜好品としてのコーヒーの面白さを確認した。コーヒーカクテルも美味しかった!

長くなってしまったので二日目は次に。はやくまた京都に行きたいなあ。これを書いてるときに、ドイツの現代美術家アンゼルム・キーファーが二条城で大規模個展を行うというビックリニュースが流れてきた。これは絶対行きたいけど来年の春の開催まではちょっと待ちきれない!

2023年おいしかったものをはなす②

甘味・ドリンク編

あんみつ:喫茶去(東京・上野)

2023年はあんみつにはまった一年だった。廣田硝子のあんみつ皿を買ってしまうほど。喫茶去は、上野公園内にある懐石料理の韻松亭が、15時から17時の間のみ業態を変えて開店する茶屋。あんみつは売り切れてしまうこともあって、来店ハードルはお高め。テイクアウトも可能です。ここの推しポイントは色とりどりの生麩!味も食感もそれぞれ違う。白玉も抹茶の寒天も全部違う。あと寒天が結構甘草の味強めで尖っている。王道ではないあんみつだけど、ほんとに大好きでおすすめなので食べてみてください。

 

梅チャイ(自家製)

ベスト・オブ・ドリンク2023。今井真実さんの梅ダージリンのレシピをチャイ茶葉に置き換えて作った。リラックス効果は抜群で、きっとこれは心身万病に効く。生の梅が市場に出ているときしか作れないのが惜しすぎる。こんなに夢中にさせといて一瞬で居なくなってしまうなんて。6月になったらまた喧伝すると思う。

 

みかん氷横浜スタジアム(神奈川・関内)

大事な食べ物を忘れていたので追記。ことし沢山お世話になったみかん氷。夏の球場は灼熱多湿密集でとても食欲なんて湧かないが、それでも球場に来たからには何か食べたい。とくに負け試合なんかは何か食べないとやってらんない。そのときに毎回頼んでたのが、削った氷に缶詰のみかんとシロップをかけただけのみかん氷。シンプルすぎる味付けがこんな場面にはぴったりだ。毎回ひとくち目の味がただの氷すぎて「シロップかけ忘れてない?」と不安な気持ちになりますが、後からシロップ出てきます。これ結構美味しいんだよね。阪神・伊藤将司や広島・九里亜蓮にされた完封試合を観ながら食べても美味しかったもん。今シーズンは、もっと美味しい気持ちで食べられますように。

 

甘酒の炭酸サングリア(自家製)

一時期疲れやすさを感じて毎晩甘酒を飲んでいた。さすがに趣向を変えたいと思い、一人前食堂

YouTubeを参考に作ってみた。一人前食堂では金柑だったけど時柄の事情で苺を使用。甘酒って炭酸で割るとこんなに美味しくなるのかと発見した。更にハーブを漬け込むと、軽やかな心地よさが加わった。最近作ってないからまた作ろう。

ドーナツ:コトリベーカリー(東京・豪徳寺

昨今ふわふわドーナツばかりに焦点が当てられてはいないですか‥。それも大好きだけど、生地の密度が濃いギュムギュムドーナツもピックアップされてほしい。ここのドーナツはあまりの弾力に低反発枕かと思った。生地自体の甘さは控えめながらシナモンとお砂糖たっぷりでコーヒーが進む。この大きさで100円台なのも嬉しいポイント。パン屋さんのドーナツっていいよね。

 

タリーズ:ロシアンティータリーズ&ティー

タリーズに、紅茶に特化した店舗がいくつかあるのをご存知ですか。そこにあるロシアンティーハニーフルーツがとても美味しかったです。ストレートティー(オリジナルブレンドかな?)に、別皿でブルーベリーと蜂蜜のジャムを添えてくれます。本場ロシアよろしく溶かさないでスプーンでちまちま食べながら紅茶を飲む。味と香りとその時間すべてが日々の憂鬱を少し忘れさせてくれます。500円で自分の機嫌をとれと言われたら私は迷わずここに行きます。

 

ヒスイ豆いり道明寺蒸し:和倉温泉加賀屋(石川・七尾)

能登半島地震で休業を余儀なくされた加賀屋。お安めに泊まれる機会があったので3月に訪れました。水菓子として出た道明寺にスプーンをいれると濾したヒスイ豆で、そうきたかー!と感動した。鮮やかな翡翠色と桃色のコントラストに、水色の器も素敵。季節のものをかけ合わせる発想と丁寧な手仕事に、名旅館たる所以が伺えました。治部煮なども美味しかったなあ。

バジルシャーベット:シェフス(東京・新宿)

この白い玉の奥には、無限のバジル畑が広がっているんですよ。見た目はただの雪玉みたい(失礼)なのに、一瞬でバジル畑にワープさせられるのだから、脳がかなり混乱する。目が覚めるような爽やかさ。えぐみは一切ない。お店のお母さんに作り方を聞いたら、相当の量のバジルを使っているようだった。自宅での再現は無理だ!諦めてお店に通おう。

 

ミルク栗ジャム(自家製)

大量の栗を貰った際つくったもの。茹でた栗を殻から実を取り出し、ミルクとお砂糖と一緒に撹拌しながら煮込む。お水でつくるレシピもあるが、牛乳で作るとミルキーになる(当たり前か)。トーストに塗って食べ、あ、いま暮らしの到達点にいるなと思った。自分で栗のジャムを作って食べるなんて「丁寧な暮らし」の頂点のような行動だが、その原動力はがめつい食欲にあります。

 

 

 

 

 

 

 

2023年おいしかったものをはなす①

食事編

鴨南蛮そば:蕎麦せきざわ(長野・小布施)

店内の撮影は禁止なので公式から拾った写真。私の過去の鴨南経験では、つゆが黒く味の強いものが多かったが、ここは優しい鰹出汁。鰹出汁に鶏肉という点ではお雑煮にも近い味付けかも?繊細な出汁に対して、ゴロッと入った鴨は驚くほど肉肉しくジューシー。だんだん鴨の脂が溶けていって味が変わっていく様も楽しい。ここは十割そばや季節の変わり蕎麦(来訪時は柚子)、デザートも絶品。次は会席で頼んでみる。

 

チーズクルチャ+牡蠣カレー:タンドールバル カマルプール(東京・木場)

ランチで来訪。ナンから名物だというチーズクルチャに変更した。「美味しいものは脂肪と糖でできている」を体現したような味でセロトニンがどばどば排出される。牡蠣と茄子のカレーもコクがあり美味しかった。夜の一品料理も美味しそうだったのでここでお酒を飲みたい。

 

 

トマトとイチゴのスープ アスパラガスのクレームグラッセ:マダム・トキ(東京・代官山)

野菜や果物の「青々しさ」は低評価の場合に用いられることが多いが、私は結構好きだ。特にフレンチのように、それを利用して計算した一皿であれば尚更感服してしまう。これを食べたのは4月下旬。来たるべき青果の季節をお知らせするような料理の登場に嬉しくなったのを覚えている。

 

蕗のトマトパスタ(母の料理)

ベスト・オブ・パスタ2023。具材は蕗、トマトペースト、ベーコン、オリーブ、たっぷりのペコリーノ・ロマーノ。蕗っ玉の苦みがなんとも美味しい。すべての具材が必要不可欠で完成度が高すぎるパスタだった。母はときどきとんでもないクオリティの料理を生み出す。

 

尾道ラーメン:丸ぼし(広島・尾道

今のところ一番好きなご当地ラーメン。昔ながらの中華そばのような鶏ガラ出汁がメインで、小魚からも出汁をひいているという。そこにミンチ状の背脂がかかっているのが恐らく尾道ラーメンの特徴。こってりでもあっさりでもない、王道のようで独自性もある、なんて表現したらよいか分からないがとにかく美味しいラーメンだった。あと大きすぎる唐揚げも美味しかった。

 

刺身定食:築地本種(東京・築地)

築地の近くで働いているのに、おすすめの寿司屋ひとつも答えられないなんて情けないよな‥と思っていたところ出会った。刺身定食はこのボリュームで2000円ぴったりくらい。追加で巻物を頼んで暖かいお茶と瓶ビールで少しずつ食べるのが幸せだ。お店の人も常連さんも暖かい。築地はいまインバウンド色が濃すぎて、どの飲食店もそれ狙いに見えて疑り深くなってしまう。だが、少し奥の路地に入ったら名店が残っているんだと知れた点でも意義深い経験だった。

スープカレー:カレー食堂心(北海道・札幌)

そもそもスープカレーが大好きなのに、激戦区札幌で名店に入ったら虜になるに決まってる。素揚げした野菜が甘くておいっしい。北海道の大地に感謝。かぼちゃもさつまいもも入っていてほくほくパレード。謎に辛さが100段階で選べて、20辛にしたらそこそこ辛かった。上に行ったらどうなってしまうんだ‥。

 

香港式海老ワンタン麺:南粤美食(神奈川・元町中華街)

中華街にある広東料理の名店。土日は行列ができるが平日の開店時間に覗いてみたら一巡目で入れた。ワンタンは、すり身かなと思って口に入れてみたら、ぷりっぷりの丸の海老で嬉しいサプライズ!卵感強めの麺も美味しかった。5人以上しか受け付けていない一人一万円のお粥コースも気になっています。https://zaikabou.hatenablog.com/entry/20191124/1

スペアリブのポトフ(自家製)

2023年一番美味しかった自炊。スープカレーと同様にポトフはそもそも大好物だが、スペアリブの骨から出る旨味には驚いた。作業としては茅乃舎の野菜出汁でスペアリブと野菜をあるだけ煮込むだけ。茅乃舎にはお世話になりすぎている。大抵の料理の悩みや人へのちょっとした贈り物の悩みも、大抵茅乃舎が解決してくれる。ただ茅乃舎さん、地域限定の出汁をもうちょっと手に入りやすくしてくれませんか‥。

肉うどん:うどん香川(大阪・北新地)

衝撃を受けた一杯。お肉は優しく炊いた牛肉、青ネギ、出汁は昆布がメインかな?関西の肉うどんは美味しいとはよく聞くが、こんなにおいしいとは思わなかった。この味を求めて東京でも関西肉うどんの名店を探しているが、豚肉だったり甘辛に煮付けたりしてるのがほとんど。これは幻の一杯だったのか。肉うどん探しの旅は続きます。

 

ホタルイカの刺身:炉端とらまる(富山・富山)

素材一つで殴ってくるタイプ。目とくちばしを取り除いた生粋の生ホタルイカ!鮮度の関係で現地でしか食べられないのかな?ほかでは見たことがない。食材の旨味を数値化したら生ホタルイカが1番じゃないかなって思うくらい、素材の完成度がすごい。肝も入ってるから例えるなら烏賊の塩辛だけど、柔らかさや繊細さも兼ね備えている。まだ食べたことない美味しい食材ってこの世にあるんだなと思った。

 

清水サバ

高知の旅行記を参照。

 

へしこバター:kufuku(東京・末広町

発酵創作料理のコースでパンに添えられて出てきたバター。へしことは、青魚に塩を振って塩漬けにし、さらに糠漬けにした郷土料理らしい。要はアンチョビみたいなこと?あんまり魚の風味は強くなく、味噌やチーズのようなコクのある発酵風味が美味しかった。高加水パンともよく合う。メインの牛肉についていたごぼうのピューレと一緒に塗ったら、掛け算の美味しさだった。発酵と郷土料理についてはもっと勉強したいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おいしいパンをつくろう

パン作りにすっかり夢中だ。

頻繁に作っては食べ過ぎて、体重は増加し、大人ニキビが顔に居座るようになってしまった。それでもパン作りの頻度はそのままに、ジムに通い始め、ニキビに効くスキンケアを導入するようになったのだから、自分でも入れ込みようは相当だと思う。

10月の中旬にベイスターズのシーズンが終了したとき、「野球のない毎日ってどう過ごしてたっけな‥」と虚無感に襲われたが、この3ヶ月間、その寂寞を埋めてくれたのは間違いなく手作りパンだった。

これほどまでに取り憑かれている理由を自分なりに考えてみた。

①パンは焼きたての状態である場合、市販のパンと別ジャンルの食べ物になる。

焼きたてのパンをちぎると、生地の繊維が引きちぎれ中から湯気が立ち上る。この状態のパンはまさに飲み物である。いくらパン屋に行って焼きたてのポップアップが掲げられているものを買ってもこうはいかない。これを味わえるのは、焼いた人間の特権だ。

②パンを作っていると、勝手に時間を有効活用している気になれる。

実務的な作業時間に対して発酵を待つ時間のほうが圧倒的な長いのがパン作りの特徴。例えばだらだらゲームをやっていたとして、画面を閉じたときに「時間を無駄にしちゃったかな」とよぎる一抹の後悔も、発酵の待ち時間にやるのだとしたら、それは立派なマルチタスクに転じる。進捗の生めなかった時間にも、パン作りは進んでいくのだ。

③異なる時間の流れで生きるイースト菌が愛しい。

パン作りに欠かせないイースト菌は微生物であって、絶えず形を変える。飼い犬が昼にベランダに出て日向で寝るように、同じ時間を異なる流れのなかで生きる生物が一緒の空間にいるだけで、なんだか素敵な暮らしに感じてくる。

 

前置きはさておいて、最近つくったもののなかでいくつか。レシピは基本的にYouTubeやネットで見ながら、適宜アレンジしている。

・フォカッチャ

これまで作ったパンのなかで一番簡単。捏ねずに一晩冷蔵庫で発酵させるだけ。上に何をのっけてもおいしい。持ち寄りパーティーにぴったり。

・バターシュガーパン

焼きたてがありえん美味しかった。知らないほうが幸せだった量のバターが入っているが、あっという間に全部食べてしまう。

・メロンパン

コンビニのメロンパンはカロリーを気にしてなかなか食べられなかったので、いっそのこと自分で作ろうと思いたった。バターシュガーパンよりは罪悪感薄め。

・ウインナーロール

謎なほど中毒性があって何回も作ってる。冷めても抜群においしい。ケチャマヨチーズはそりゃうまいか。

・チャバタ

強力粉と薄力粉を7:3でブレンドしてパリッとさせた。オリーブオイルもバターも使わないので健康的。なかに何を挟んでもおいしい。ナマスを作ってバインミー、あんバタに杏のコンポート、きんぴらごぼうにコンビーフ…。これらの組み合わせは母が考えたもの。美味しすぎて今年一番母を尊敬した。

・ちぎり食パン

食パン型なぞ家に無いので、シフォンケーキ型を使用。パンひとつひとつの味を変えて(プレーン・白ごま・ココナッツ・チョコチップ)親戚の家に持っていったら、お楽しみ要素も加わって喜んでくれました。

・アイスクリームブレッド

水分と乳脂肪分の大半を、アイスクリーム「爽」のバニラ味で補ったプレーンパン。口に入れた瞬間、コストコディナーロールすぎて笑ってしまった。

・さつまいも食パン

こちらはパウンドケーキ型を使用。半分はあんこも練りこんだ。これも焼きたてで半分以上食べてしまう。あまった生地で、白ごま入りハイジの白パンも作ってみた。

・ピザ

サラダピザが大好きなので、自宅で作れるようになって本当にうれしい。ピザは他のパンと比べて発酵が一段階少ないのが特徴。また、焼き時間も短い。寝る前に生地を仕込んで冷蔵庫で一晩発酵させれば、お昼に平たく丸くするだけであっという間に作れてしまう。私が在宅ワーカーなら昼食は毎日のようにピザになるかもしれない。

 

シナモンロール

お正月におせちと同時並行で作った。私はシナボンの罪深ーいシナモンロールが大好き。このシナモンロールはそれよりあっさりめでデイリーシナモンロールとして100点!コーヒー泥棒。

 

このほか、ベーグル、塩バターロール、ガーリック食パンなども作った。

パン作りは難しい印象があるが、意外とまだこれといった失敗はしていない。懐が深い料理なんだなと思う。あと新調した我が家のオーブン、ビストロ様が優秀なのだと思う。

以下個人的な簡単ランキングです。

1位フォカッチャ…捏ねない・成形しない。家にあるもの適当に乗せても、なんなら何も無くても美味しい。

2位ピザ…手間が少ない。チーズかトマトソースかケチャップのどれかが最低限あれば成立する。

3位チャバタ…捏ねない。ただ、何かを挟みたくなるので、その用意は必要。

 

高知の県土をひた走る

11月下旬、清流を見たいな…の気持ち1つだけを抱え、高知行きを敢行した。

1日目:成田空港。少し早く着いた私は、飛び立つターミナルが第3なのにも関わらず、サブウェイを食べなきゃ気が狂いそうな気持ちになり(稀にある)、第1ターミナル国際線のサブウェイに向かった。全然近くないターミナル間を移動したことで時間がぎりぎりになり、結局あの長い第3ターミナルの通路をダッシュする羽目に。

飛ぶも八卦、飛ばぬも八卦でお馴染みのジェットスター高知龍馬空港へ。降り立った瞬間に思ったのが、「この空港、公民館っぽい」という感想だ。茶色い手すり、グレーのフェルトのような床がそう思わせる。

15時ごろ空港に着いてそのままレンタカーを借りた。一日目は、一大観光地だしと軽い気持ちで予約した宿『四万十の宿』が、四万十川が海にぶつかる地点にあって、これがなんと空港から片道3時間ほどかかった。高知自動車道四万十町までしか通っておらず、四万十市まで下道で1時間ほど要した。よく考えたら当たり前なことなのだが、四万十川は長い川なので、「四万十」と付く地点同士が近くない。それに、清流でいられるのも高速道路から遠いからだろうしね。ICを降りて国道56号に沿って下流に進んでいく。整備はされている道なのだが、コンビニはおろか人里の気配もなく、どんどん日が沈んでいくなかのドライブで少し怖かった。ただ、道の駅「なぶら土佐佐賀」近くのトンネルを抜けた先に、いきなり土佐湾が眼前に広がってきて、とても幻想的な風景だった。

夕ご飯は高知の名産品を中心に据えた懐石料理で、なかでもチャンバラ貝と鰹の酒盗が美味しかった。日本酒飲み比べもして、最高。そんなにお酒に強くないので、いつも後ろ髪を引かれつつアルコールペアリングコースは我慢するのだが、旅先では酔ったらすぐ寝られるので、気楽に沢山飲めて良い。

翌日の観光に備えて、高知県仁淀川が舞台となった細田守監督の映画『竜とそばかすの姫』(2021年)を観た。これが清々しいほど物語として破綻していて、観ていて思わず笑ってしまう。逆に最後まで釘付けになっていた。はちゃめちゃな物語が土台にあって、上モノとしての音楽や映像技術のクオリティが高いもんだから、チグハグだった。ただ中村佳穂はじめ音楽陣は素晴らしく、今でもサントラ聴いてます。

 

2日目:天気は昨日に続いて曇天たまに雨。これは私的旅行あるあるなのだが、初訪問が悪天候だった場合、その土地に対して、空が重い場所だったなあというイメージになる。

ひたすら下道で、四万十川に沿って上流に進んでいった。高知の川によく見られる「沈下橋」をいくつも見ることが出来た。『竜とそばかすの姫』で予習はばっちり。

一瞬晴れ間が見えたので、急いで川沿いに車を止めて河原で水切りをした。仁淀川ではあるが、高知は国際水切り大会の会場らしい。私はあまり興味はないのだが、同行者が何故か水切り好きで、コツを教わった。サブマリン投法でやったらちょっと跳ねました。

空に雲がかかってきたので水切りを切り上げ、再び四万十川を北上していく。道中、道の駅「よって西土佐」を見つけたので、寄り道してケーキを食べた。ここは、高知南西部国道441号沿いにある道の駅なのだが、辿り着くまでの道が国道とは思えない整備の道だった。四万十川の観光の要所へ行く際は441を通らざるを得ない。このためレンタカー(我々もだが)も多く、緊張感のある譲り合いが発生する。

 

国道走破系ブロガーの441号走破記事

No.186 国道441号 - めざせ!国道走破

 

高知市街地に入り、小腹も空いたところでイオンモール高知に駐車した。ここでの私の目的はB級グルメ、まんしゅうの「じゃんめん」を食べること。高知の焼肉屋発祥のラーメンで、ピリ辛な餡かけの麺に、細切れのホルモンとニラ、ふわふわの溶き卵が沢山入っている。事前リサーチで知って絶対に食べたくて、おやつと夕食の間に無理やり予定を差し込んだ。

夢にまで見たじゃんめんはとっても美味しかった。両手いっぱいに丼を抱え込んで、両脇には餡に絡める用のご飯とビールを置いておきたい。高知に数店にあるほかは、大阪に一店舗あるのみらしい。「大阪に行ったら絶対食べる…」と独り言を言いながら、惜しみつつ完食した。

 

それにしてもイオンモールという異質な建物にはいつも惹きつけられる。これまた同行人の謎の趣味で、旅行先では必ず地域のイオンモール(又は準ずる建物)に寄らされているうちに、私も何だか気になる存在になってきた。イオンモールに一歩入店すると、そこは地域から隔絶された空間のように感じる。そしてこの空間は四次元のように他の全国のイオンと繋がっているように錯覚するのだ。豆腐建築、迷路のような空間と無数に感じる出入り口の多さ、店舗ラインナップ(カルディ、ケンタetc)、プライベートブランド、地域性の希薄さ……どれも大体のイオンに共通する。その共通性と同時に、その中に差異を見つけるのが楽しい。最近流行ったゲーム「8番出口」にイオン版があれば絶対やるのに。

イオンモール高知には、一階にビアード・パパがあった。イオンのビアード・パパというのはレア度でいうと低いのだが、なんせ香りが支配的なので、無条件でそのイオンに対する第一印象となる。この現象は、ビアード・パパとポッポがある場合に発生する。

高知駅に戻ってビジネスホテルにチェックインし、荷物を置いて予約していた居酒屋「大黒堂」へ足を運んだ。夕食でここを選んだのは、清水サバの刺身があるから。土佐清水で水揚げされるゴマサバ・清水サバは、その新鮮さゆえ、足の早いサバであれど生で食べられる。ゴマサバといえば福岡名物の生のサバを胡麻で和えたもの(こちらも大好物!!)だが、こちらの清水サバはそのまま刺し身で食べるのが主流らしい。高知の漁師さんは、美味しい清水サバを指すとき「ビリビリ」しているという表現をするという。この事前情報を得た私は、「ビリビリ」する刺し身…?なにそれ…?という疑問に囚われてしまって、確実に食べられそうなお店を予約しておいたのだ。

やっと対面できた清水サバは、角がピンと立っていて、銀色の皮目が美しく、もう見ているだけでうっとりしてしまった。食べてみるとモチモチで上品な甘さ。「くさみがない」なんて表現は全くもって失礼だ。気品と風格さえ感じて、平伏したくなった。手を加えていない素材の料理に対してこんな気持ちになるのは初めてかもしれない。とにかく洗練されていた。高知ナンバーワングルメでした!

(奥が清水サバ、手前は鰹の刺身)

これを食べなきゃ高知に来た意味ないでしょ、の鰹のタタキも食べた。高知ではニンニクスライスと塩で食べるのが主流と聞いたときから、家でタタキを食べるときもそれに倣っているのだが、予想以上の厚みにびっくりした。この厚みで藁焼きにしているため、外側は焼き魚のように香ばしく、中はレアなお刺し身という、両面性を一度に味わえた。新鮮じゃないとこの厚みは実現できないんだろうな。家で食べるタタキとは全然違くて、すごく美味しかったです。昨日は日本酒だったので今日はビール!最高だ!

2軒目にしようと思い、高知市街地で有名な飲み屋街「ひろめ市場」を覗いてみた。飲み屋が密集したフードコートのような場所で活気がある。ただこの時点で満腹に近かったので、四万十の鰻重をテイクアウトしてホテルに戻った。

 

3日目:最終日は曇天の寒空。ホットコーヒーを購入してホテルを出発。仁淀川の安井渓谷へ。高知駅から国道33、194、439号を通って1時間ほど。途中までは車道に接近してひた走る土讃線と一緒だった。今回のドライブでは、土讃線予土線も見ることができた。旅行に来たからにはローカル線に乗りたかったなあと少し後悔したが、この広い高知の県土を観光するには時間が全然足りなかったのでしょうがない。

国道439号は、酷道ヨサクとも言われるドライブの難所だという。今回我々が通った道はそれほど悪路ではなかったが、徳島と高知の接する峠のあたりが特に酷く、日本三大酷道に数えられる。実際に行く気は全く起きないが、国道系ユーチューバーの動画を見ているだけでわくわくする。

山道を登り辿り着いた安居渓谷はマイナス4度。今年初めての降雪を観測することが出来た。凍てつく空気にはじめは面食らったが、澄み切っていて気持ちよかった。渓谷は仁淀ブルーが綺麗に見られる場所として有名らしい。飲食店があるような観光地ではないのだが、川沿いを歩き・岩肌に触れているだけで楽しくて大満足でした。

 

帰りの飛行機は高松発で予約していたので、急いで高速に乗った。今思えば位置関係的に松山発にするべきだったが、高松は大好きな場所なのでまあ良いとする。朝からろくに食べていなかったので、南国市のSAに寄った。何の変哲もないカツカレーがやけに美味しそうに見えて、地元の名物には目もくれずオーダーした。これはゲレンデから降りてスキー小屋でカツカレーが食べたくなる現象と同様の原理で発生したも。また、南国市SAの名物「芋天」も食べた。ふかして潰したさつま芋をホットケーキミックスのような生地で包んで揚げるという、絶対美味しいに決まっている食べ物。実際食べても本当に美味しくて、急いでおかわりを買いに行きました。すきっ腹に大量の揚げ物を迎え入れて、急激に眠くなった。

高松空港に着くと、飛行機は1時間半遅れ。気になっていた香川銘菓の「木守」が買えてよかった。薄い麩焼き煎餅のなかに干し柿の餡。薄味ながら複雑で美味しかった。後日新橋のアンテナショップを覗いたところ、バラ売りしていましたが人気で完売でした。とりあえず美味しいお菓子が東京でも買えることに一安心。

空港内にある讃岐うどん屋さんで釜玉うどんを食べて、今回の旅を締めくくりました。店内に菅義偉のサインがあったんだけど、この人のサインは本当にこれなのか?

 

さて、今回の旅の心残りは、ウツボのたたきと田舎寿司が食べられなかったこと。特に後者は、野菜をネタにしたお寿司で絶対に食べたかったのだが、どこのお店にも道の駅にも、もちろんイオンにも無かった。あとは電車に乗れなかったこと。なんだかんだ高知の西半分しか回れていないので、次回の課題が出来たということで良しとする。ここまでドライブの話ばかりしたにもかかわらず、私は無免許なので、全部運転を人に任せてしまった。あり得ないことだ、、ほんとうに感謝。

おまけ。行きの飛行機から見えたゾゾマリンスタジアム

 

 

 

日記:秋の信州帰省

10月末に信州に帰省したときの日記

 

1日目:犬をしょって新幹線に乗り、長野に向かう。気温は14度くらい。東京とはかなり違って寒かった。おばあちゃんちで早速BKシードレスという新しい品種のブドウを食べた。私はシャインマスカットより巨峰派だけど、この品種は紫ブドウの渋みがありながらスッキリした甘さもあって美味しい。万人に受けそう。

お土産には家で焼いてきたフォカッチャを持ってきました。色々レシピを見て試したなか、高加水・オーバーナイト発酵で作るのが楽で美味しいのではと辿り着きました。まさか自分にパンを焼く趣味ができるとは…。

 

2日目:車で15分ほど足を延ばし、お隣の中野市へ。紅葉もきれいだ。

以前食べて美味しかった、つけ麺「丸長」でお昼ご飯を食べた。街の中華屋さんの激辛なんてたかがしれてるよなと思って選んだ激辛が、まさかの本当に辛くて返り討ちにあった。個人的には蒙古タンメン中本の北極より辛い。北極はあくまで味噌ベースで、探せば甘味を感じられるのだが、醤油ベースのつけ汁に一味ドバドバという直接的な辛味はフードファイター的な気分になってしまう。でも美味しかったです。

 

そのまま、この日の目的である中野市役所を訪問した。中野市は横浜DeNAベイスターズの4番・牧秀悟選手の出身地で、今シーズン2つのタイトルを獲ったことを祝う垂れ幕が飾られていて、Deファンとして見たかったのだ。

牧のプレイヤーとしての凄さを素人の私が語るのは難しいが、入団3年目にしてチームを鼓舞する姿にいつも感動させられるし尊敬する。連敗しててもずっと明るくいてくれて、プレーでも「牧なら何とかしてくれる」と思わせてくれて、わがチームの希望の星です。

あとやっぱり長野県はあまり野球選手が出る県ではないので、地元の希望でもあると感じました。ありがとう、牧、牧がいる間に優勝してくれベイスターズ

 

この日はおばあちゃんの誕生日だったので叔母と一緒にケーキをつくった。バターがなかったのでシフォンのレシピで。最初に作ったほうじ茶シフォンは恐らく牛乳の量が多く失敗…。これはこれで生クリームと干し柿と一緒に食べて美味しかった。シフォンの紙型が終わってしまったので、ホールケーキ型でシフォンに挑戦してみたら上手く行った。ギッシリ感はありつつも軽くて良い!

夕ご飯は栗おこわ、牡蠣フライ、干し柿とチーズのサラダなど。祖母の作る栗おこわは、甘く煮た栗に炊いた餅米を合わせたもので、あまくて大好き。

 

そして秋のぽってりした果物が大好きだ。常温で熟すのを待って熱い緑茶や番茶で食べるのも良いし、単体で温かいお酒にも合う。一番好きなのは洋梨和梨より洋梨派。よく食べ物・飲み物に「アロマ」という言葉が使われるが、食べ物の場合私の鼻ではあまり感じ取ることができない。だけど、洋梨には確実にアロマがあると思っていて、刃を入れた瞬間に部屋を香りで包む支配力には、果物の女王だなあと感じます。

この日祖母は渋柿を干していた。果物難の冬にひとつ楽しみができた。

 

3日目:栗の町小布施へ。ハイウェイオアシスで犬を走らせた。

その後小布施農場併設のカフェmil greenに寄り、栗と牛乳のジェラートを食べる。

夜はお寿司の出前を取ってくれた。私が一番年下なのでたくさん食べられてうれしかった。

 

4日目:これまで市街地のほうに下ってばかりだったので、山のほうへ登ってみる。山田温泉までは登らず、祖母・母・犬と紅葉や滝を見た。のどかで良いところだと思った反面、一人で歩く学生のカバンには大きな熊鈴がついていて、のどかだと呑気に思えるのはここに住んでいない人間の身勝手な意見だよなあと自省した。

松川を跨いだ先にある砂利掘削場、ここはディストピア味というかハリウッド味があって好きな場所だ。ここで育った両親は「山を削っていつか中野市とつながる」と言い聞かされてきたそうだが、山は分厚くそんな気配がない。ここらへんの山々はアルプス連峰と同時に、砂利の掘削により赤土色の山肌が露出した山もいくつかあって独特な情景を生み出している。家に帰って叔母さんが買ってくれたケーキを食べた。

5日目:この日は夕方から仕事なので、少し早く家を出て軽井沢アウトレットに寄ってみた。2時間ほど居たのに何も買えず、アウトレットでの流儀というか振る舞いが分かんないな…と思いちょっと落ち込んだ。全部、要るといえば要るし、要らないといえば要らなく見えてくるのだ。あとかわいいものは単にそもそも高い。ただ秋晴れは気持ちよく、軽井沢に降り立ったというだけで意味のある寄り道だった。