忘れっぽい

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底冷えの京都、あんかけをもくもくと①

2月中旬、冬の京都は寒いと散々脅されながら行った1泊2日の記録with母

 

1日目

11時半ごろ京都駅に到着。春節と被り混んでいるかと思いきやそうでもなかった。とりあえず腹ごしらえ…と八条口から出て徒歩5分ほどの殿田食堂へ。関西に来たら絶対にうどんを食べなきゃという使命感がある。肉うどんとたぬきうどん(厚揚げが乗ったうどんに餡をかけたもの)を頼んだ。冬の京都グルメで下調べしたら、あんかけグルメばかり出てくる。あんかけラバーではないのだが、そこまで激推しするのであれば食べてみようじゃないかと王道のメニューに挑戦してみた次第だ。あんかけは生姜たっぷりで、これから動かす身体をあたためてくれた。大好きな炊いた牛肉の肉うどんも関西出汁の繊細さがありながら、いい意味での食堂っぽい大味さが良かった。ここはお店の人も温かいので、京都駅周辺のごはん屋に迷われる方、おすすめです!

その後、京都駅のすぐ近くに完成した京都市立芸術大学に用事があったので訪問。真新しいキャンパスに美術作品がたくさんあって、学生さんたちがきらきらして見えた。

バスに乗って母の希望で六波羅蜜寺へ。空也上人がいるタイミングで行けてよかった。好きな大河ベスト5に『平清盛』『鎌倉殿の13人』があるので、その時代にゆかりある場所に行けたのが嬉しい。ここは俺たちの泰時とトキューサが建てた六波羅探題…!と感動。空也上人の彫像も目に焼き付けてきました。ここは空也上人が彫った秘仏の観音像が本尊ですが、なんと辰年(コトシ!)に数日のみ公開するらしい。見に行きたいなあ。こじんまりしてたけど見どころが多く、好きなお寺になりました。

続いて歩いて建仁寺へ。禅宗の〇△□庭や双龍図が見られたのはもちろんだが、細川護熙(元総理)の襖絵がたくさんあって、綺麗でまとまってて理想主義的(面白味はない)と感じ、人柄って作品に反映するんだろうなと思った。一番好きだった景色は花頭窓越しに眺める庭園「大雄苑」です。

そのまま夕食に向かうため、30分ほど歩いて先斗町錦市場を通り、五・四条から三条へ北上して京都市役所前へ。やっぱり歩くと楽しいし土地がわかるが、N条間は結構距離があってつかれた。

夕食は、独自の食文化が形成されているという京都の町中華「鳳泉」に行くと決めていた。ここの焼売にはクワイが入っていると聞いて、訪問の何日か前から「クワイ入り焼売…」と呪文のように何回も唱えていた。開店時間の17時についてもすでに並んでいて30分以上待って入店。それはいいのだが、店の扉に「本日の焼売売り切れ」の張り紙が…。まさかのランチで売り切れパターンがあるんかい。大きなショックを受けた。

でも、京都の町中華には本当に感動しました。知っていますか。花街で発展した京都中華は強烈な匂いを避けるため香辛料やにんにくを使わず、鶏ガラ・昆布だし・からし・あんかけ(ここにも!)を重用した、異色な中華らしいです。この系譜の開祖である「鳳舞」は、くるり「三日月」のMVから見ることが出来ます。

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独自の進化を遂げた「京都中華」に入門 40年前に亡くなった「開祖」の味を受け継ぐ名物とは | AERA dot. (アエラドット)

私が頼んだのは、エビカシワソバ、はるまき、唐揚げ、酢豚、卵スープ。途中で耐え切れずに紹興酒。全部衝撃的で未知なる美味しさでした。からしそばはピリッとからしがききながら昆布だしが優しく、シャクシャクのレタスなど具の取り合わせが、「もうこれ以上はないよね!」っていう完成度。はるまきは皮が少し分厚く卵感もありしんなりめ?タケノコがメインだけど、何が入ってるかわからないくらいレイヤーが多い味付け。唐揚げは何と、鳥ももの素揚げ??(に近い薄い衣?)。焼売がなかったから頼んだんだけど、焼売があったとしたらこの美味しさを知らなかったと思うと震える。食べる前、歯を立てた瞬間から美味しすぎて、母と小さく悲鳴をあげていたら、隣のお客さんも追加注文していました。また、私は酢豚について「パイナップルは有りか無しか?」という質問は、「あんこは漉しか粒か」くらい愚門だと思っています。そんなん美味しければそれが正解じゃん。なんとここの酢豚にはパイナップルだけなくライチも入っている!!それが甘味強めな甘酢あんに豚肉と一緒に入っているのだから大興奮でした。

ああ、はやく再訪したいなあ。今回食べたメニューは次来た時もひとつも外せない。旅行後に母が高熱を出しちゃったんだけど、「うなされながら何度も京都の中華を思い出したんだよね…」と言っていた。それくらいインパクトのある食事経験でした。

この興奮のままホテルに帰れないよね、と喫茶店を探した。第一希望はスマート珈琲店だったがイートインの時間が終了していて豆だけ買った。後日家でドリップしたら、いわゆる日本の喫茶店の珈琲の味がして嬉しかった。トーストと合うような味のね。

結局入店したのは小川珈琲の堺町錦店。開店から2年弱の新店舗でバーのようなつくり!コーヒーの種類がとっても多くてシガレットバーに来たみたい。どうせなら味が想像できないものを‥と思いインドネシアのミディアムを頼んだらバナナやタバコを感じて、嗜好品としてのコーヒーの面白さを確認した。コーヒーカクテルも美味しかった!

長くなってしまったので二日目は次に。はやくまた京都に行きたいなあ。これを書いてるときに、ドイツの現代美術家アンゼルム・キーファーが二条城で大規模個展を行うというビックリニュースが流れてきた。これは絶対行きたいけど来年の春の開催まではちょっと待ちきれない!