パン作りにすっかり夢中だ。
頻繁に作っては食べ過ぎて、体重は増加し、大人ニキビが顔に居座るようになってしまった。それでもパン作りの頻度はそのままに、ジムに通い始め、ニキビに効くスキンケアを導入するようになったのだから、自分でも入れ込みようは相当だと思う。
10月の中旬にベイスターズのシーズンが終了したとき、「野球のない毎日ってどう過ごしてたっけな‥」と虚無感に襲われたが、この3ヶ月間、その寂寞を埋めてくれたのは間違いなく手作りパンだった。
これほどまでに取り憑かれている理由を自分なりに考えてみた。
①パンは焼きたての状態である場合、市販のパンと別ジャンルの食べ物になる。
焼きたてのパンをちぎると、生地の繊維が引きちぎれ中から湯気が立ち上る。この状態のパンはまさに飲み物である。いくらパン屋に行って焼きたてのポップアップが掲げられているものを買ってもこうはいかない。これを味わえるのは、焼いた人間の特権だ。
②パンを作っていると、勝手に時間を有効活用している気になれる。
実務的な作業時間に対して発酵を待つ時間のほうが圧倒的な長いのがパン作りの特徴。例えばだらだらゲームをやっていたとして、画面を閉じたときに「時間を無駄にしちゃったかな」とよぎる一抹の後悔も、発酵の待ち時間にやるのだとしたら、それは立派なマルチタスクに転じる。進捗の生めなかった時間にも、パン作りは進んでいくのだ。
③異なる時間の流れで生きるイースト菌が愛しい。
パン作りに欠かせないイースト菌は微生物であって、絶えず形を変える。飼い犬が昼にベランダに出て日向で寝るように、同じ時間を異なる流れのなかで生きる生物が一緒の空間にいるだけで、なんだか素敵な暮らしに感じてくる。
前置きはさておいて、最近つくったもののなかでいくつか。レシピは基本的にYouTubeやネットで見ながら、適宜アレンジしている。
・フォカッチャ
これまで作ったパンのなかで一番簡単。捏ねずに一晩冷蔵庫で発酵させるだけ。上に何をのっけてもおいしい。持ち寄りパーティーにぴったり。
・バターシュガーパン
焼きたてがありえん美味しかった。知らないほうが幸せだった量のバターが入っているが、あっという間に全部食べてしまう。
・メロンパン
コンビニのメロンパンはカロリーを気にしてなかなか食べられなかったので、いっそのこと自分で作ろうと思いたった。バターシュガーパンよりは罪悪感薄め。
・ウインナーロール
謎なほど中毒性があって何回も作ってる。冷めても抜群においしい。ケチャマヨチーズはそりゃうまいか。
・チャバタ
強力粉と薄力粉を7:3でブレンドしてパリッとさせた。オリーブオイルもバターも使わないので健康的。なかに何を挟んでもおいしい。ナマスを作ってバインミー、あんバタに杏のコンポート、きんぴらごぼうにコンビーフ…。これらの組み合わせは母が考えたもの。美味しすぎて今年一番母を尊敬した。
・ちぎり食パン
食パン型なぞ家に無いので、シフォンケーキ型を使用。パンひとつひとつの味を変えて(プレーン・白ごま・ココナッツ・チョコチップ)親戚の家に持っていったら、お楽しみ要素も加わって喜んでくれました。
・アイスクリームブレッド
水分と乳脂肪分の大半を、アイスクリーム「爽」のバニラ味で補ったプレーンパン。口に入れた瞬間、コストコのディナーロールすぎて笑ってしまった。
・さつまいも食パン
こちらはパウンドケーキ型を使用。半分はあんこも練りこんだ。これも焼きたてで半分以上食べてしまう。あまった生地で、白ごま入りハイジの白パンも作ってみた。
・ピザ
サラダピザが大好きなので、自宅で作れるようになって本当にうれしい。ピザは他のパンと比べて発酵が一段階少ないのが特徴。また、焼き時間も短い。寝る前に生地を仕込んで冷蔵庫で一晩発酵させれば、お昼に平たく丸くするだけであっという間に作れてしまう。私が在宅ワーカーなら昼食は毎日のようにピザになるかもしれない。
お正月におせちと同時並行で作った。私はシナボンの罪深ーいシナモンロールが大好き。このシナモンロールはそれよりあっさりめでデイリーシナモンロールとして100点!コーヒー泥棒。
このほか、ベーグル、塩バターロール、ガーリック食パンなども作った。
パン作りは難しい印象があるが、意外とまだこれといった失敗はしていない。懐が深い料理なんだなと思う。あと新調した我が家のオーブン、ビストロ様が優秀なのだと思う。
以下個人的な簡単ランキングです。
1位フォカッチャ…捏ねない・成形しない。家にあるもの適当に乗せても、なんなら何も無くても美味しい。
2位ピザ…手間が少ない。チーズかトマトソースかケチャップのどれかが最低限あれば成立する。
3位チャバタ…捏ねない。ただ、何かを挟みたくなるので、その用意は必要。